『ペレットなんて味気なさそうで可哀相!ウチのインコはシードをこんなに喜んで美味しそうに食べているんだから、ウチはこれだけで良いです!』
…お気持ちは分かります。でも考えてみてください、ご自分のお子さんが喜ぶからといって、ハンバーガーやインスタントラーメン、ポテトチップス等を毎日食事として与え続けますか?
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『ペレットって何?』
…ペレットとは、鳥に必要な栄養を全て摂取できる総合栄養食です。
シード食では偏り又は不足しがちなアミノ酸、ビタミン、ミネラル等、これらを確実に摂取させることができ、鳥専門の獣医師の多くが推奨しています。
当方でも食餌はペレットを基本にしています。
フード販売ページでご案内している、中粒ミックスと小粒ミックスがメインです。
これはお迎え先でもどの大きさの粒やどんな味でも食べられるようにする為ですが、その子の嗜好つまり色や味、粒の大きさの好み等、選んで食べる楽しみを提供する目的もあり、また特定のペレットが供給不足で入手できなくなった時や、他には体内への蓄積等を考えたときに1種類に限定するよりも数種類をミックスして与える方が良いのではと考える為です。
小粒ミックス、中粒ミックスの給餌比率は、その子の好みに合わせてそれぞれ変えています。
オカメインコでも中粒タイプが好きだったり、ウロコインコでも小粒タイプの方が好きな子もいます。
また、おやつには栄養強化シードを小さじ(5cc)スプーンで約半量与えています。これは夕方に30分未満で与えています。おやつですからお腹いっぱいにならない量が大事です。『少ない量を、短時間で与える』事を基本にしています。全部食べていなくても時間が来たら片付けます。また、1cm位の粟穂を、これは自然の中で粟穂が実っているイメージで、ミレットクリップに付けて与えています。
換羽が始まったら、食餌を換羽期専用の高タンパク低脂肪ペレットとエッグフード等に変えます。おやつには栄養強化シードにえん麦を追加して与えています。
ヒナに関して言えば、挿餌中の置き餌のヒナ用ペレットからスタートし、3段階を経て最終的には成鳥用ペレットへ移行します。
そして生後6ヶ月頃まではペレット(エッグフード小さじ1杯混ぜたもの)しか与えません。これはペレット食を定着させる目的です。こうすれば、のちにおやつでシードを与えても、まずはペレットを食べてからシードの方に行ったりする子も出てくるほど、ペレットを好むようになっています。シードは何歳になってからでも食べれるようになりますが(それほど魅力的な食べ物ですので)、元々シード食の子をペレット食に変えるのは困難を極めます。そのため、ヒナのうちにペレット食を定着させておく事には重要性を感じています。
(万が一 シードを食べなくても、ペレットを食べていれば問題ないと考えます)
成長期ですのでエッグフードもプラスしたりしますが、肥満傾向を確認した場合は省き、ペレットだけにします。
成鳥になり、発情又は肥満を抑制する場合には、専用のローファットペレットと、おやつはダイエットシードに変更します。
(※飼い主さんの中には、肥満のインコを痩せさせる目的で、普段の食餌量を減らすだけの方もいますが、そういった措置はインコにとっては著しくストレスになり、食に対する執着心を増加させることになリますので、結果的には逆効果になるように思います。大切なのは、食べさせる量は減らすことなく、食餌内容を変える(脂質を減らす)事だと考えます。)
体調や体重、換羽、発情等、その都度その子の状態に合わせた食餌環境に整える事はとても大切です。
毎朝 愛鳥さんの体重測定を行い(人間の場合と同じで、起きたばかりの空腹時の体重を測り記録する)、身体や過ごし方を見て気付く所はないか等 普段の観察を欠かさないようにし、給餌内容を適正に判断していきましょう。
※ちなみに、栄養強化シードがあるならそれをあげればペレット食じゃなくてもOKなのでは…?とのお声を頂きますが、当方ではたとえおやつでもなるべく健康を考えたものを与えたいという気持ちで作っているだけなので、ペレットをやめてこちらをメインにしましょうとオススメしているものではありません。
なぜなら結局のところ、栄養になるものをシードに混ぜたところで、インコがそれらを『毎回、完璧に全て摂食』しなければその意義は無いと考える為です。
インコも好きなシードを選んで食べますし、食べたくないと思うものは残すばかりですので、そのことを踏まえても、ペレット食の重要性、優位性がご理解頂けると思います。
※週に数回程度、農薬除去·除菌済の野菜や果物もシード代替おやつとして与えています。
※飲み水には鳥専用の乳酸菌生成エキス、ローヤルゼリー、生薬エキス等を添加し与えています。